能力の高い人に仕事が偏ったり、特定の人しかできない作業があって、仕事を効率的に分散できない

問題

能力の高い人に仕事が偏ったり、特定の人しかできない作業があって、仕事を効率的に分散できない


解決策提案

この問題は個々の作業担当者で解決できません。仕事を割り振っているリーダーによるルール化または体制変更による改善が必要です。

今回の問題が発生する原因は、仕事の中で以下の意識があるためです。

・一番慣れている人がその作業を担当した方が効率が良い

・作業内容を部下に説明する(引き継ぐ)よりも、自分でやった方が早いしミスが少ない

・前工程の作業を行った人が次工程の作業も行うべき


これらは長期的に考えると以下のリスクがあります。

・急なトラブルへの対応ができなくなる

・特定のスタッフに作業負荷が集中してしまう

・組織としての技術レベルが停滞する

・事業の拡大が難しくなる


このリスクによって、個人・会社ともに疲弊する可能性があります。


以下、改善案について書きます。

本問題の解決のためには、特定の人のみが経験的に行ってきた作業や知識(暗黙知)を、文字や数式などで説明ができる形(形式知)に変換し、周囲に共有する必要があります。

これは、ナレッジマネジメントという企業管理手法として知られています。
今回はその基礎理論であるSECIモデルについて紹介します。

ステップ1:
特定の人が持つ技術や知識を共有する場を作ります。勉強会を開く、ナレッジボックスに投稿するなどでも良いです。それによって、特定の人以外に技術や知識を持つ人を増やします。

ステップ2:
ステップ1である程度技術や知識の言語化はできていると思いますが、さらにその技術をマニュアルに落とし込みます。技術を習得した人で相談しながら行うとより効果的です。

ステップ3:
マニュアルを基準として作業を進めます。その中で新技術の導入、他部署のノウハウとの比較、より良い方法の考案などを促すため、現状の作業とマニュアルの差異を見直す場を作ります。

ステップ4:
ステップ3を定期的に繰り返すことで、新たな技術や知識が暗黙知として蓄えられていきます。

SECIモデルでは、上記4つのステップが繰り返されます。

最初に述べた通りこの問題は個々の作業担当者では解決が難しいので、問題が恒常的に発生している場合は、リーダーまたは役員までご連絡ください。

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