問題
見積もり提案の際に、顧客に対して聞きにくい質問がある。顧客の予算、提出したサンプルや見積もり金額の感触、相見積もりの有無など、提案するにあたって知りたい情報がある。ただ、それを聞いて良いのか、どのように聞いたら失礼に当たらないのかわからない。
解決策提案
プロジェクトマネジメントに関する問題ではないのですが、非常に多い質問でしたのでこちらで改善提案します。
聞きにくい質問とは、具体的に以下のような質問と位置付けます。
・今回の案件のご予算はいくらですか?
・今回相見積もりを取っていますか? その中で弊社より安いところはありましたか?
・先日弊社から提出したサンプルに問題はありましたか?
・弊社の提案内容に問題があれば再提案したいので教えてください。
これらの質問が聞きにくい理由、または顧客が答えにくい理由は二つあります。
一つは自己都合を優先させた質問であるからです。
質問する目的が、予算に合わせて見積もり金額を検討したい、 当社より安い所があればその金額を知りたい、といったように自分の都合を優先させており、顧客にとって得がない質問であるために後ろめたさを感じてしまいます。
それを解決するためには、質問を「 顧客にとって得となる形」に置きかえます。
今回の案件のご予算はいくらですか?
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数パターンの案から選んでいただけるような見積もりをご用意したいので伺いますが、今回ご予算の上限はどのくらいでしょうか?
今回相見積もりを取っていますか? その中で弊社より安いところはありましたか?
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参考までに伺いたいのですが、今回の案件で御社にとってより魅力的な提案は他にありましたでしょうか?もし現在の弊社提案に追加できるものであれば、検討した上で現在の提案、見積もり価格をさらに良くしたいです。
先日弊社から提出したサンプルに問題はありましたか?
弊社の提案内容に問題があれば再提案したいので教えてください。
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先日お送りしたサンプル(提案書)はいかがでしたか?具体的な作品やアイデアを見るとプロジェクトのイメージも湧きやすくなったことと思います。もし、他の作品も見てみたい、条件を変えた場合の見積もりも知りたいなどのご要望があれば、お気軽にご連絡ください。
以上が、質問を聞きにくい理由「自己都合を優先させた質問」の解決案です。
もう一つの理由は「顧客側担当者の一存では決められない質問」であるためです。
顧客側に複数のプロジェクト関係者が存在する場合は、
・今回の見積もりは予算内でしたか?
・弊社の提案はどうでしたか?
・何かご要望はありますか?
などの質問について「他の人や上司の意見も聞いてみないと・・」と思われることがほとんどで、それ故に質問をしにくいことがあります。
このような場合にお勧めしたいのは、「(担当者)様の個人的なご意見で結構ですので」と質問に枕詞をつけることです。担当者がプロジェクト関係者全員の総意を答えなくてもよいと前置きすることで、答える側の心理的ハードルを下げることができます。
もちろん担当者個人の意見は顧客側の他プロジェクト関係者の意見と異なることもあるのですが、少なくともプロジェクト関係者の1人の意見を聞くことができます(経験上の話ですが、担当者の個人意見が的外れであったケースはほとんどありません)。