問題
案件開始時に納品までのスケジュールを立てるのだが、いつも予定通りに進まない。余裕を持って案件を進行させるためにはどのようなスケジュールを立てれば良いのかわからない。
解決策提案
スケジュール通りに進まないときは、主に以下の三つの原因が考えられます。
・プロジェクトの目的を設定・共有できていない
・スコープの作成、タスクの作成が不十分
・進捗定期確認ができていない
プロジェクトの目的を設定・共有できていない
プロジェクトの目的が明確に設定できていない場合、具体的には納品すべき成果物の詳細について詳しく定義できていない場合、その後の制作進行の中で大きなトラブルの原因となります。その結果、スケジュールの遅延などにつながります。
成果物の点数、ファイル形式や上限容量、 利用用途、 動作環境などの数字や言葉で定義できるものは必ず文章化して明確にしてください。
絵柄やデザイン、アニメーションなどの動きがあるもの、音質や音色などの数字や言葉で表しにくいもの、感覚的にしか表現できないものは、サンプルデータやラフ、簡易デモなどを共有して方向性を定めます。
これらを定義しないままスケジュールを組んだり制作を進めることは非常に危険です。
また、定義した内容は必ず関係者全員に共有する必要があります。関係者とは制作に関わる人だけではなく、その成果物を確認する人(多くの場合は発注側の顧客)も含めます。
詳しくはプロジェクトマネジメントガイドラインの「プロジェクト目的の設定」で解説していますのでご確認ください。
スコープの作成、タスクの作成が不十分
プロジェクトの目的を達成するために必要な作業が「スコープ」です。 全てのスコープを達成・完了することでプロジェクトの目的を果たすことができます。
「タスク」とはスコープを達成するために必要な作業です。一つのスコープが複数のタスクに分解されることが一般的です。
スコープとタスクが正しく作成されていないとトラブルの発生、スケジュールの遅延につながります。
スコープとタスクリスクが正しく作成されてない状況とは以下のような状況です。
スコープの作成が不十分:
見落としている工程・条件がある
タスクの作成が不十分:
タスクの内容が具体的な作業になっていない、見落としている作業がある、 必要工数・ アウトプット・責任者が明確になっていない
詳しくはプロジェクトマネジメントガイドラインの「スコープの作成」「タスクの作成(WBS)」で解説していますのでご確認ください。
進捗定期確認ができていない
一度立てたスケジュールは定期的に確認する必要があります。
予定していた工数内で作業は完了しているか、 新たなスコープやタスクが発生していないか、リスクは発生していないか、などを確認して、スケジュールを立てた当初と状況は変わっていれば調整を行う必要があります。
確認頻度はプロジェクトによって異なりますが、できれば毎日、少なくとも2〜3日に1回は確認をした方が良いでしょう。状況の変化をなるべく早期に発見して対策することでスケジュールの大幅遅延を防ぐことができます。
詳しくはプロジェクトマネジメントガイドラインの「プロジェクト進行管理」で解説していますのでご確認ください。