問題
クライアントからのFBに納得できずにクリエイターに修正を拒否されてしまった
解決策提案
クリエイターが修正対応を拒む理由として以下のような例が考えられます。
a)想定以上の工数がかかり、依頼料に見合わない
b)自分の意図しているものと違う方向になってしまう
c)クライアントの指示の方に間違いがある(デッサンの狂いなど)
まず、(a)に関する対策の一つとして、データのチェックフローについて事前にクライアントとルール決めをしておくことをお勧めします。
例えばイラストの場合、多くの案件が「ラフ」「線画」「着彩」の3つの工程に分かれていますが、着彩に進んでからラフ(つまりデザイン)の修正が発生することは極力避けたい事例になります。
これはラフの時点でデザインの修正をするのと、着彩に進んでからデザインの修正をするのでは後者の方が大幅に工数がかかってしまい、見積もりに見合った工数で仕上げることが難しくなってしまうためです。
そのため、通常は「ラフ」「線画」「着彩」の各工程ごとにクライアントにチェックを依頼し、一度FIXした工程には基本的に後戻りしないというルールを設けています。
後戻り修正がある場合は、別途追加の修正費がかかる旨をクライアントに説明をし、事前に了承を得て制作をスタートします。
このルールは事前にクリエイターにも共有し、三者共通認識にしておくと制作がスムーズに進められます。
そのうえで、修正対応を拒否されてしまった場合の対応策をいくつかご紹介します。
1)まずはクリエイターを説得して修正に応じてもらう
最初にクリエイターにフォローを入れます。(頭ごなしに修正に応じるよう伝えると逆効果になることもあるため)
作家の上げてきたデータを褒めつつ、作品をより良いものにするために依頼側の意図や状況を理解してもらえるよう丁寧に説明しましょう。
まれにクライアント側の指示の方がデッサンが崩れているなど適切でない場合もありますが、案件のテイストや誇張表現を意図していたりすることもありますので、不明確な場合はクライアントに確認を取るようにしましょう。
2)修正部分だけ社内で巻き取る
説得しても修正に応じてもらえない場合、弊社内で修正対応することに対して了承を得た上で修正をします。
修正した部分にOKが出た後は、再度続きから同じクリエイターに制作を進めてもらいます。
修正回数が嵩むことにより、価格と工数の兼ね合いやスケジュールを理由に修正に応じてもらえない場合はこの方法は有効ですが、修正費が支払われれば対応してくれることもあります。
前述した後戻り修正のような理由により修正が嵩んでいる場合は、可能であれば工数計算をしたうえでクライアントに対しても修正費の相談をしてみると良いかと思います。
3)修正を社内で巻き取りクリエイターを変更する
自分の作品を意図しない方向に持っていきたくないことが理由の場合は巻き取り修正も拒否される場合があります。
この場合はクライアントからの依頼を拒否していることになるため、同じクリエイターで制作を続けることは困難になります。
クリエイターにも状況を説明した上で、制作を巻き取りクリエイターを変更しましょう。
変更する場合は、最初のクリエイターには途中までの制作費をしっかりお支払いしましょう。
また、明らかにクリエイターのスキル不足により発生した修正指示に対して対応を拒否された場合も迅速にクリエイターを変更しましょう。
4)番外編:クライアントに作家の意図を説明し、修正を免除してもらう
もし案件自体がクリエイターの個性を重視した依頼内容であれば、クライアントにクリエイターの意図を伝えることで修正を免除してもらえることもあります。
しかしながら基本的にはクライアントからの依頼に対してはクライアントにご満足ただける対応がベストだと思いますので、この方法はクライアント側からも「どうしてもこのクリエイターで」という要望がない限りはあまり使わない方が無難かと思います。